保護者の声

古川教室に通う、伊藤 聡真くんが卒園した幼稚園の会報に、卒園生の近況としまして、聡真くんのお母様がお寄せになった手記です。

『願いましては』の先をみつめて


幼稚園入学に合わせて穂波に移り住んで間もなく、近所に珠算教室ができました。
主人も私も珠算経験者ですが、そんな私たちでさえ、「今どき、そろばん?」と失礼な事を思ったものでした。

さて、幼稚園の頃の聡真はなかなか集団生活に馴染めず、園にお邪魔する度に、行事や授業への参加態度などを見ては情けない思いをしたことが多くありました。ただ一方で、数字や文字には早い時期から関心を持ち、特に数字(計算)に関しては、私どもも驚くほど理解していました。

年長になったばかりの5月末のことでした。
二人で近所を散歩していると、例の珠算教室の前で、聡真に「そろばんって何?」と聞かれました。
「計算を早く正確にするための道具だよ。やってみる?」と軽く聞いてみたところ、強い興味をもったようだったので、その場で早速見学させてもせいました。
聡真にとって初めて見るそろばんは新鮮だったようで、見学初日から2時間、集中して練習していました。

当時、その教室に幼稚園児がいなかったので、(来年から通うことになる)古川第五小学校の上級生にとてもかわいがられて、すぐに馴染むことができ、彼らに混じって週3回・2時間練習するようになりました。

最大の転機は、入学から5ヶ月目の(他塾生と合同の)珠算大会でした。
通っている珠算教室が、昇級試験はもちろん、各種の珠算大会に参加していること、いろいろな大会で入賞者を多く輩出していねこと、有段者がたくさんいることを知ったのもこの時でした。
そんな上級者に混じって初めての大会。
なんと聡真は、参加した1年生以下の部(参加者40人くらい)で、3部門(総合・読上暗算・読上算)全てで上位入賞し、3つのトロフィーをもらいました。

その時のことは今でも鮮明に話してくれます。それくらい、彼には印象に残った日だったのでしょう。

それからの聡真は、バラバラになっていたパワーや関心事が一気にそろばんに集中したのか、順調に進級、大会に参加しては入賞できるようになりました。自信を持てる分野ができると、生活態度の面でも活発になり、卒園する頃には安心して見守ることができました。

その後、暗算に関しては1年生で2段を取得することができました。これからの昇段は、今まで以上に自分との戦いになるでしょう。しかし、努力して得られる成果とそれによって得られる自信・誇り・挫折・ライバルの存在、どれもこれからの成長では欠かせない経験なのだと思います。
聡真の『願いましては』はまだ始まったばかり。どのような解(成長)が見られるか、楽しみにしているこの頃です。